さばいばりずむ

氷河期世代です。資本主義社会をサバイブする為、登山、渓流釣り、野営、米国株インデックスやってます。多肉植物と静かに暮らすのが夢です。

【書評】野生を忘れた社畜にオススメの1冊『羆嵐』

めっきり本を読まなくなりました(´・ω・`) 読みたい本や観たい映画はたくさんあるんですけどね。なかなか重い腰が上がりません…

せめてお正月休みくらいは本を読もうと選んだ1冊が羆嵐(くまあらし)。『三毛別羆事件』をモデルにした小説です。他のヒグマ事件だと、『福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件』も有名ですね。この2つの事件はウィキペディアだけでも十分過ぎる程、読み応えがあります(`・ω・´;)

羆嵐

羆嵐 (新潮文庫)

羆嵐 (新潮文庫)

  • 作者:吉村 昭
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1982/11/29
  • メディア: 文庫
 

時は1915年(大正4年)、北海道の開拓民が暮らす小さな村で起きました。村はまだ開拓されて4年、村人の数も少なく村民は掘っ立て小屋みたいな所で暮らしています。採れる作物もまだ少なく、その為、ひどく貧しいです。それでも村民はその土地に根を下ろす為、一所懸命に働いています。

雪が舞い始め、本格的な冬がやって来る頃、事件は起こりました。冬眠に失敗した穴持たずの羆(エゾヒグマ)が掘っ立て小屋を強襲。女と子供を喰い殺し、村は恐怖に陥ります。

討伐隊が結成されるも被害は拡大。村民たちは如何に自分たちが自然の前では無力か思い知らされます… 応援に駆けつけた武士あがりの警官や他の村の村人も最初こそは威勢がよいものの、そのヒグマの圧倒的な大きさ、喰い散らかされた人間の残骸を前に結局は恐怖に支配されてしまいます… 最後の頼みとなったのが普段、村人からも煙たがられ、酒を飲んでは暴れる乱暴者と評判の羆猟師 山岡銀四郎という男でした。

村民たちが食い散らかされた家族の残骸を囮に使ったり、人間が集団になったところで大自然のヒグマには到底敵わない絶望が淡々と描かれます。ラストでは羆猟師 銀四郎が何故、今まで酒をあおるように飲んでいたのか?といったことについて、一つの答えが提示されます。それは死の恐怖と向き合った者でなければ理解はできないのかも知れません…

記録文学と言うんでしょうか?読ませます!一気に読みました(`・ω・´;) 作者の力量が為せる業です。実話を元にしてるだけあって臨場感があります。たまにはゆっくりと、こういったノンフィクション系を読んでみるのもいいですね(`・ω・´)